インビザライン矯正歯科の知識

大人の歯並び

大人になってから歯並びが悪くなる?

以前は特に歯並びが悪いわけではなかったのに、近頃になって噛み合わせに違和感を感じたり、歯に食べ物が挟まりやすくなったりと、歯並びが変わってきたと感じる方も少なくありません。このような大人になってから歯並びが変わったと感じる場合、様々な要因によって実際に歯並びが悪くなっていることが多く、口腔内や全身に悪影響を及ぼしてしまいます。

大人になってから歯並びが悪くなる原因

・歯周病

歯周病に罹患してしまうと歯茎が炎症を起こしてしまい、腫れやブラッシングの際に出血が見られるようになります。歯周病は初期の段階で治療をおこなうことで、口腔内のトラブルを未然に防ぐことが可能ですが、初期段階の歯周病は痛みなどの自覚症状がほとんどないことから放置してしまう場合が多いのです。歯周病は進行すると歯を支えている歯槽骨にまで炎症が広がり、骨を溶かしていきます。治療をおこなわずに放置してしまうと、歯槽骨は溶かされ続けグラグラと歯が揺れ始めることで、噛み合わせに不具合が生じてしまい、それが原因で少しずつ歯並びが悪くなってしまうのです。

・治療の中断や歯を失ったまま放置する

虫歯の治療などで歯を削る場合、一時的に噛み合わせが悪くなることがあります。噛み合わせは治療が終わるまでには調整をおこなうのですが、治療を途中で中断してしまう方もいらっしゃいます。そのままだと噛み合わせが悪い状態で過ごすことになるため、歯が動く原因になってしまいます。また、虫歯や歯周病、急な事故などで歯を失ってしまった場合に、インプラント治療や入れ歯治療などで歯の機能を回復させる処置をおこなうことが必要なのですが、治療せずに放置してしまうと、失った歯のスペースに隣の歯が傾いてきたり、噛み合う歯が伸びてくることで噛み合わせのバランスが崩れてしまい、歯並びが悪くなることがあるのです。

・親知らず

親知らずは永久歯の中でも最後に生えてくる歯ですが、他の歯のようにまっすぐに生えてくることが少ないのが特徴です。そのため、親知らずが隣の歯を押すように生えていると、少しずつ歯並びを悪くしてしまう原因となることがあります。また、抜歯の処置をおこなった場合でも、抜いたスペースに向かって歯が動いてしまうことで歯並びが乱れる原因となる可能性もあります。

・歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしり

就寝中に歯ぎしりや食いしばりの癖があることで、歯並びが悪くなることも少なくありません。歯ぎしりや食いしばりが長期間おこなわれることで、歯や歯根に大きな負担がかかってしまい、歯が磨耗したり欠けたりするだけでなく、歯根吸収が起こったり歯根の向きが変わってしまうことがあります。これにより噛み合わせに変化が起こり、歯並びが悪くなってしまう場合があるのです。

・悪習癖

爪を噛む癖や頰づえをつく癖などが習慣化してしまうことが原因で、徐々に噛み合わせのバランスが乱れてしまう場合があります。それによって歯並びが悪くなることもあります。

・生理的な歯の移動

歯は正常な状態でも、少しずつ自然に前に移動する「生理的な歯の移動」によって、年齢と共に歯並びが変化してしまうのです。生理的な歯の移動量は個人差がありますが、口腔内に何の問題がないのにもかかわらず年々歯並びが悪くなる場合は、人が本来持つ生理的な現象が原因であることが考えられます。

大人になってから悪くなった歯並びの対処法

大人になってから歯並びが悪くなってしまう原因は、その多くが口腔内に何らかの問題がある場合が多いことから、まずは歯科医院で健診を受けて原因を精査することが大切です。歯周病や歯を失ったまま放置しているなどの歯科治療が必要な場合は、できるだけ早い段階で治療を受けることが重要です。また悪習癖がある場合は、意識的におこなわないように普段から気を付けて頂くことで改善される場合もあります。歯ぎしりや食いしばりの癖においては、就寝時に「ナイトガード」というマウスピースを装着することで、歯や歯周組織にかかる負担を軽減することができます。

もしも、すでに歯並びが悪くなっている場合は、歯列矯正治療をおこなうことで歯並びや噛み合わせを正しく整えることが可能です。歯列矯正治療には、主にブラケットとワイヤーを歯に装着する「ブラケット矯正」と、マウスピース型の装置を定期的に交換していくことで歯を整える「マウスピース矯正」がありますが、治療内容や費用などが異なるため、治療をおこなう前にしっかりと医師と相談した上で、ご自身に適した治療を受けて頂くことをお勧めいたします。

まとめ

悪い歯並びは、放置することで症状をますます悪化させてしまう危険性があるだけでなく、身体の健康にも様々な悪影響を及ぼす原因になるので、なるべく早めに歯科医院で治療をおこなうことが大切です。また、歯科医院で健診を受けることで、歯並びが悪くなってしまう前に原因を改善することができる場合もあるので、健診は定期的に受けるようにしましょう。

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